キャッサバの葉、インドネシア語はDaun Sinkong。
インドネシアに来て初めて食べた時、この葉っぱは一体何なの?と不思議に思ったものです。
インドネシア料理の中では特に「パダン料理」に欠かせないもので、パダンのワルンに行くとこのキャッサバの葉が山盛りになって置いてあります。
キャッサバは葉も食べられ、土の中に埋もれている「キャッサバ芋」も食べれられる、という非常にありがたい植物です。
芋の部分はインドネシア全体でも本当に良く食べられてますよね。
今回はこの「キャッサバの葉」(ダウンシンコン)とキャッサバ芋について、その栄養分、調理法、簡単な食べ方などをご紹介しようと思いますよ~。
キャッサバの葉(ダウンシンコン)とは?
キャッサバは元々は中南米に生息する植物で、それが巡り巡ってアジアにやってきました。
温かくて乾燥した土地で良く育ち、特に世話をしなくてもドンドン増えるので様々な地域で食べられて来たのです。
どんなに痩せた土地であっても生育するキャッサバは、特に貧困地帯などでは貴重な食物としての役割を担ってきたんですね。
15度以下の土地では見られないので、日本では沖縄を除いてみる事はまず出来ません。
キャッサバは豊富なタンパク質を含んでいて、カルシウム、ビタミンもある栄養価に優れたもの。
値段も安く、インドネシアでは一抱えでも数十円で買えるという庶民にとっても嬉しい食べ物、しかも栄養があるというのは本当にありがたい食べ物ですね。
キャッサバの葉には毒がある?
キャッサバの葉にはシアン化水素(青酸)が含まれています。知ってましたか?
葉っパの部分には特にこの青酸が多いので、毒抜きしないで食べると【死】ぬ事もあるので注意。
実は私、これを知らずに調理して食べてたの====(汗)。
ただ、湯がいてしまえば毒抜き出来たので、幸いにも大事に至る事無く生きてます。
バリ島で暮らしていた時に、家の周りにこのキャッサバの葉がボウボウに生えてたので、ハサミを持って行って勝手に収穫しては食べていたのよ、随分食費の節約になりました。
ちなみにバリ島では、あまり下に生えているものは犬のオシッコがかかってるのでなるべく上の物を収穫しましょうね~。
キャッサバの葉の毒抜きの方法は湯がく事、そして発酵させる方法もあるみたい。湯がくときには塩、もしくは重曹を入れるのが良いですよ。
長く茹で過ぎると色が変わってしまう、それにドロドロに溶けてきてしまうので、途中でかじってみて柔らかくなっていればすぐに上げてね~。
キャッサバの葉の料理
私が良く食べていたキャッサバの葉の料理は
ただ茹でて水気を切って、マヨネーズとお醤油をつけて食べる方法。これが結構美味しかったの。(おかか醤油でもいけるかも)。
ナシチャンプルをブンクスしてきて、野菜不足になりそう、という時にはこれを食べてビタミンを補う様にしてたのです。サンバルで食べても美味しい。
そしてもう一つ
ココナッツミルクとターメリック(クニッ)、コリアンダー(カチュンバル)、バワンメラ(インドネシアの赤小玉ねぎ)、ニンニク、生姜で味付けしたスープに、茹でたキャッサバの葉っぱを細かく刻んだものを入れて煮込むもの。
パダン、メダンなんかで良く食べられているスープで、ご飯の上にこれをタップリかけて食べると凄く美味しいのよ~。
茹でたキャッサバの葉を細かく切って、ニンニクと唐辛子、塩コショウで炒めるのも美味しい。
キャッサバ芋の食べ方
キャッサバの葉の根本に生えている芋、これはパサールでも沢山売られています。
手に入ったら皮を剥き、(包丁を縦に入れて軽く皮を剥がすようにすると簡単に剥ける)薄く切って油でカラリと揚げてチップスで食べるのが良しです。
茹でたり蒸かしたりした後に、棒状のまま10cm程に切って揚げると更に美味しい。
スーパーに行くとお惣菜のコーナーに良く売ってるの、チーズが入ってるものもあって凄く美味しいので食べてみてね。
シンコンバラド、という揚げたシンコンチップスに、甘めのサンバルを絡めた物はめちゃウマで大好き。
まとめ
キャッサバは根茎の部分がテプンタピオカ、という粉末状の物にもなっていて、片栗粉代わりに使ったりも出来ます。
ミルクティーの中に入ったタピオカ、まん丸でモチモチしているあの黒タピオカも、黒砂糖で色が着けられたキャッサバの根茎から出来ているですね~。
色々なものに使われているので驚きです。
全体が余す事無く使われる、有用で、栄養価が高くてお安い、素晴らしい植物です。
ダウンシンコン、ちょっと見直して食べてみてね。