私の夫はスマトラ出身、夫の両親は元々アチェ州の出身。
アチェと言えば、2004年の12月に起きたあの大地震による大津波で、大勢の人が犠牲になった場所。
今でもその爪痕は沢山残っているんだけれど、アチェの街並みは活気に溢れた美しい場所です。
そしてインドネシアの中では最も古くからイスラム教が伝わった場所がここアチェ。
さて、
夫の親戚が多数暮らすこのアチェ州に何度か訪れた事がある私にとって、ここはとても大変な場所。
何故か
それはこのアチェ州にだけ強く存在する法律、シャーリア法(イスラム法とも言うんだけれど)、そのせいなのです。
アチェにはシャーリアポリス、という特別な警察まであって、とても厳しい法律がるんです。パトロールして見張ってるし。
そのせいでここを訪れる時にはとても気を使わないといけない。
そんなこんな、アチェ州の事情を今日はお話しようと思います。
アチェ州のシャーリア法
アチェ州は元々とってもイスラムの信仰が強い場所で、イスラム教保守派の人々が多いのが特徴。アチェに暮らす人々は厳しい戒律と共に生きてきています。
2001年頃までは「アチェ特別州」と呼ばれていて、特にインドネシア国内でも異端の地、という印象で受け止められてきた場所。
インドネシア政府に対しても「アチェ独立運動」を起こして内戦状態にまでなっていた、きな臭い場所なのです。
夫の友人の中にもこの内戦関係に絡んでいた人が結構いたらしいからすごい。
でもあの大地震と津波の後、独立運動はすっかり影をひそめる事になりました。
余りにも被害が酷くて独立を騒いでいる場合ではなかった、というのが本当のところなんでしょう。
今現在は至って静かな状況になっているのです。
そしてシャーリア法というのはイスラムの教えに基づいた法律で、例えばイスラムで禁止されている飲酒、賭博、売春なんかを行った場合、裁判でその人を裁く事が出来、処罰する事が出来る法律の事。
この法律は1000年もの歴史があるという、ある意味凄い法律です。
イスラムの予言者ムハンマド、そしてコーラン、という教典(聖書と同じ様な本の事)を元にこの法律が作られているのです。
その掟には本当に色々な物があって、例えば先程あげたもの以外には「宗教の改宗」、「婚前交渉」「服装や生活態度」なんかにかかわるものが沢山ある。
特に「女性」に対しては厳しすぎるとも言える法律がまかり通っているのもこの法律の特徴なのです。
もしも何かシャーリアに反する事をしでかした時には「むち打ちの刑、もしくは死刑」が待っている。
動画サイトなんかでもこのむち打ち刑、見る事が可能、もし興味があったら見てみると良いかも、でも耐えられないと思います、きっと。余りにも酷いので。
アチェにいる時に注意している事は?
直近では1年半前、そしてその前には2度程アチェに行った私。
その目的は大抵夫の親戚へのご挨拶なんだけれど、本当はアチェの観光も兼ねてます。
余談ですが
実はアチェはビーチが綺麗で、フェリーを使ってインターナショナルな観光が楽しめる場所も沢山あったりします。
例えば「ウエー島」。ダイビングが出来て、素敵なホテルもあって、白人さんもいる。
前回はこのウエー島で数日羽を伸ばしました。
アチェからたった1時間位離れると、こんな風に違う世界があったりするのも不思議ではありますね。
アチェ滞在中私が最も気を付けている事は
服装
髪
行動
の3つ。
とにかく親戚の人からも厳しく言われるのが服装で、間違ってもTシャツなんかではいられない。
長袖、長ズボン、しかもゆるゆるの。そしてヒジャブというスカーフで頭部をスッポリと包む。
髪の毛1本でもはみ出してはいけない。
イスラム教は女性が家族以外の人に肌を見せる事を禁止しているからなんだけれど、暑いのよ、これが。
髪を出したまま外に出て、それをシャーリアポリスに見つかる、もしくは誰かに通報された場合は、そのまま監獄行になっちゃう。
恐ろしや、アチェ。
行動に関してはとにかくなるべく外に出ない、特に夜は絶対に出ない。
バイクの後ろに乗る時には横座り。間違ってもまたいで乗らない。
異性を目で追わない。
外国人の観光客に関してはもっと寛容なので、観光で訪れる場合にはあまり気にしなくても大丈夫。
でもあまりにも目立ってしまうと危険なので、女性は気を付けた方が良いかもしれないです。
私も一応イスラム教徒なので、このシャーリア法、従わないとまずい…アチェにいる時には特に。
鞭打ち刑でお尻の皮がめくれてしまうのは嫌~~~。ホント、残酷な刑なので、死んでしまう人もいるんです。
国際社会から見たらこれは異常事態だし、人権問題にかかわる事。でもこれが現実なのですね、イスラム社会の。
真面目にイスラム教徒として生きている人には悪いと思いながらも、私の中では?がいっぱいだったりして・・・・。
まとめ
アチェ州の法律シャーリアについて、そして私がアチェに行ったら気を付けている事について述べてみました。
大分脱線してしまった感もあるのですが、お許しを。
次回アチェについて書く時には、楽しいアチェ、観光や食べ物なんかについてご紹介しようかな、と思ってます。
それでは今日はこのへんで。